過去のお知らせ

第16回 GLP研修会(平成22年度)について
 2010年9月6日(月)、日本消防館 ニッショーホールにおいて、平成22年度「第16回GLP研修会」が開催された。
 当日は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の理事、内海氏の挨拶に続き、国立医薬品衛生研究所の松岡氏による特別講演を含め、以下の6項目の演題についての講演が行われた。 講演内容は以下の通りであった。

1.医療機器の生物学的安全性試験とGLP
 −国立医薬品衛生研究所 医療機器部 部長 松岡 厚子 氏
医療機器GLPの説明に続き、医療機器GLPとISO/TC 194(ISO 10933シリーズ)との整合性、医療機器GLPの試験実施に
おける多様性などの説明がなされた。また、現在、ISO 10993シリーズの改訂に伴い、国内基準(事務連絡 NO.36)の見直しを進めていることも報告された。
国内試験法がその有効性を国際的に認められISO文書に取り込まれた例としては、細胞毒性試験に関しては国内規制で推奨しているコロニー法が掲載されたことや有機溶媒抽出法が遺伝毒性試験、感作性試験、試験試料の調製の文書に掲載されたことが挙げられた。

2.最近のGLP適合性調査について
 −医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部 調査役 井上 良一 氏
 GLP適応試験の役割やGLP適合試験に関する承認申請資料適合性調査書面について、改正GLP省令についての説明がなされ、聴講中、何度か「より有効で より安全な 医薬品や医療機器などを より早く 患者の皆様に届けるために」と、PMDAの理念の1つが紹介され、GLP関係者への協力が促された。

3.改正GLP運用後の状況
 −医薬品医療機器総合機構 調査専門員 梶ヶ谷 仁志 氏
 GLP省令の改正の概要、運用状況調査、GLPに関する要望への解説という内容の報告がなされた。運用状況調査では、実務者を対象とするアンケート結果が、ポジティブ意見とネガティブ意見に分けて報告された。また、GLPに関する要望についてQ&A形式で解説された。

4.医薬品及び医療機器GLP適合性調査について
 −医薬品医療機器総合機構 調査専門員 星野 裕紀子 氏
 GLP適合性調査申請について、GLP適合性調査資料作成に係る留意点、GLP適合性調査についての報告がなされた。
(2009年度GLP適合性調査実施件数:医薬品21件、医療機器6件)
 最後に、GLPは規制当局の為にあるのではなく、自らのデータの質と完全性を保証するためにあるとまとめられた。

5.GLP適合性調査の指摘について
 −医薬品医療機器総合機構 GLP エキスパート 浅野 敏彦 氏
 2009年7月〜2010年6月の間に実施されたGLP適合性調査の結果を基に報告がなされた。この期間に20施設の調査が実施され、評価の出ている19施設においては全てA評価であったことが報告され、調査に関して、指摘事項、指摘の背景等を例に挙げて解説していた。
 試験関係資料の保存に対する指摘の一つでは、指摘の背景に資料の移管時等に試験関係資料の確認を行っていたが、目録等がなく、各々のデータの紛失の有無がわからない確認方法であったことがあり、移管方法、散逸や紛失を防ぐ方策を再検討すること、という指摘がされた。

6.事前質問事項に対する回答
 −医薬品医療機器総合機構 GLP エキスパート 高田 幸一 氏
 事前に質問のあった20項目に回答しており、質問内容は理化学試験実施施設のGLP適合性調査について、GLP適用試験の一部受託について、GLP適合性調査の実施について等があり、医薬品、医療機器GLP関連施設が運用を進める上で出た質問が多く見受けられた。また、現在、コンピュータでのデータの集計や記録の操作が多くなり、それらデータの担保に関するコンピュータ関連の質問も目に付いた。
終わりに、「PMDAの理念」が映し出され、関係者への協力が再度促された。

(2010年9月6日開催の第16回GLP研修会より)

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