お知らせ

改正化審法(平成29年改正化審法)の概要について

平成29年6月7日に化審法の一部を改正した平成29年改正化審法(平成二九年六月七日法律第五三号)が公布されました。
改正化審法の内容は、以下の通りです。

1. 改正化審法(平成29年改正化審法)の経緯について
  化審法において数量規制のあった「少量新規化学物質並びに低生産特例申出」について各届出会社からの新規化学物質の製造・輸入数量の合計が一定量を超えた場合、国による数量調整(平成27年度で対件数12〜15%)が行われ、各届出会社では製造・輸入数量が按分されていました。
この結果、届出会社は、的確な製造・輸入数量が予定できず、事業展開に支障をきたす場合がありました。
上記の問題に関しては、過去の化審法改正検討時においても規制緩和処置を要望する意見が出されてきましたが、環境中へ排出された場合の人健康影響や動植物の生息等に与える影響が懸念され、数量規制を緩和する根拠データ量が十分ではないこと等から保留・継続事案となっていました。
しかしながら、化学物質の少量多品種形態の増加傾向に伴い、審査特例制度に基づく届出・申出数が年々増加していることや全国数量上限規制が欧米にはない日本独自の規制であることから世界的競争力の低下等が懸念され、さらには、我が国の主流をなす国内中小化学企業に対しても多大の不利益を発生させているため、喫緊の改正事案として関係省庁で真摯な検討がおこなわれた結果、今回の改正(平成29年改正化審法)となりました。
2. 改正化審法の改正点について
 

改正点は、以下の通りです。

改正化審法の改正点について
1.全国数量上限枠の見直し
 1) 少量新規化学物質製造・輸入の場合
  • 用途分類に基づくスクリーニング評価排出係数から用途情報も加味した「環境排出量換算値1トン」に変更。
    ただし、全国数量上限制度は、継続する。
 2)低生産量新規化学物質製造・輸入の場合
  • 用途分類に基づくスクリーニング評価排出係数から用途情報も加味した「環境排出量換算値10トン」に変更。
    ただし、全国数量上限制度は、継続する。
2.申出手続きの見直し
 1) 少量新規化学物質の場合
  • 用途証明書類の原則添付
  • 申出物質の構造情報(MOL形式)を電子媒体で提出
  • 申出様式の変更
  • 書面申出及び光デスク申出(4回/年)、電子申出のみ年10回
  • 1物質で1用途ごと申出
 2)低生産量新規化学物質の場合
  • 用途証明書類の原則添付
  • 申出様式の変更
  • 年1回の数量確認申出を年度途中(随時)でも受付
  • 1物質で1用途ごと申出
3.毒性の強い新規化学物質管理の見直し
  • 一般化学物質に分類されるもののうち、毒性が強いと判定された化学物質を「特定一般化学物質(公示前:特定新規化学物質)」として、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣による当該化学物質の取扱事業者に対する通知義務。
  • 当該化学物質の取扱事業者による取引の相手方等への情報提供の努力義務。
  • 厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣による当該化学物質の上記判定結果の公示義務。
  • 主務大臣による当該化学物質の取扱事業者に対する指導及び助言等の実施。
  • 主務大臣による当該化学物質の取扱事業者からの取り扱い状況についての報告要求。
4.一般化学物質、優先評価化学物質及び監視化学物質の届出内容の見直し
  • 複雑な混合物等については、構造や組成情報の添付。
  • みなし既存については、混合物として複数届出ではなく、1届出となる。
5.改正化審法に基づく化審法試験等の見直し
  • 生分解性試験
    ・OECDTG301Fの導入。
    ・生分解性試験において生成した変化物が分解途上と考えられる場合は、後続試験の対象外とする。
  • 蓄積性試験
    ・濃縮度試験での餌料投与法の導入。
    ・濃縮倍率の値によらず一濃度区での試験を適用可能とする。
  • 高分子フロースキーム試験
    ・安定性試験のpH1.2及び7.0の削減。
    ・安定性試験における重量測定及び溶解性試験の水における重量測定の削減。
    ・有機溶媒の溶解性試験におけるオクタノールとヘプタンの測定の削減。
  • 運用通知の98%ルールの拡大
    ・既存の高分子化合物に2%未満のモノマー(新規化学物質の場合1%未満)を複数加えても、同じ既存の高分子化合物と見なす。
(2018年03月現在)


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株式会社 イ-・エス・サポ-ト





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