小考・小話

改正化審法における高分子化合物の取り扱い

1. はじめに
 

平成21年度の化審法改正により導入された、低懸念ポリマーの事前確認制度が一部改正されました(平成三十年三月六日厚生労働省・経済産業省・環境省告示第一号、平成30年4月1日から施行)。
今回の一部改正に伴い通常の新規化学物質の審査や低懸念高分子の事前確認のための審査・判定に必要な高分子フロースキーム試験の簡素化が図られました。

化審法上での高分子化合物は、以下の3つの条件を全て満たすものと定義されています。

この基準に該当する場合は、「化審法第3条第1項の規定に基づく新規化学物質の製造等の届出」は対象外ですが、該当しない高分子化合物については、新規化学物質の製造等の届出の必要があります。

   
2. 高分子フロースキーム
 

高分子フロースキームとは、「既に得られているその組成、性状等に関する知見」としての取扱いについて(平成30年3月14日 薬生発0313第8号 20180308製局第1号 環保企発第1803124号)の別添、高分子化合物の安全性評価のための試験方法をいいます。
「物理化学的安定性、酸・アルカリに対する溶解性試験」、「水及び有機溶媒に対する溶解性試験」の判定の基準は以下の通りとなっています。

   
3. 低懸念ポリマー
 

低懸念ポリマーとは、人の健康又は生活環境動植物の生息等に被害を生ずるおそれがない高分子化合物で、平成三十年三月六日厚生労働省・経済産業省・環境省告示第一号で定められた基準を満たし、確認を受けたものです。
高分子フロースキームに基づく試験データ(安定性、溶解性、分子量分布)が、基準に該当するか否かを判断します。該当する高分子化合物は、申し出から1ヵ月以内に事前確認を受けることができ、製造・輸入量等の届出は不要で、化学物質の名称の公示はされません。


 



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