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生態影響に関する化学物質審査規制/試験法セミナー(平成25年度)について

2014年2月10日(月)東京(津田ホール)に於いて生態影響に関するセミナーが環境省と(独)国立環境研究所の主催により開催された。当該セミナーは化審法規制対象となる予定数量が比較的多い化学物質を対象とするため、参加者数が他の関連セミナーに比べて若干少なかったが、演者の方々の話を熱心に聞き入っていた。

第1部「化学物質審査規制に関する国内外の動向」では、以下の講演が行われた。

1. 「化学物質審査規制に関する動向」
  (環境省 総合環境政策局 環境保健部企画課 化学物質審査室)
 

化審法に関連した規制対象化学物質の指定状況や24年度における化審法の施行状況、さらに、スクリーニング評価及びリスク評価の進捗状況ついての具体的説明があり、優先評価化学物質については、平成26年2月1日現在計160物質が指定されたこと、また、優先評価物質指定後の手順として、段階的に進められていくリスク評価については平成25年度までに計26物質がリスク評価U着手物質との説明がなされた。

第2部「生態毒性試験及び生態毒性QSARに関する事項」では、以下の4講演が行われた。

2. 「生態毒性に係るOECDテストガイドライン210,211改定について」
  ((独) 国立環境研究所環境リスク研究センター 鑪迫 典久 氏)
 

魚類初期生活段階毒性試験(TG210)及びオオミジンコ繁殖試験(TG211)の改定について説明があった。
TG210の2013年改定箇所(留意点)としては、以下の内容であった。

<1> 従来の毒性評価値NOEC/LOEC 以外にECxを使用できる。
<2> 溶剤の使用を極力なくし、実測値を重視する。
<3> 試験終了日が30日で切られるため目標成長量(体長17o)が導入されたこと等の解説があった。

TG211の2012年改定箇所(留意点)としては、

<1> 致死的影響は、生と死の2点値データであるが、産仔数が連続的数値データであることから、
  両者を一緒に解析することは これまで提案された統計手法に馴染まない。
<2> 親世代の死亡原因が、偶発的または操作ミスなどの事故による場合は毒性値算出データから
  除外するとしているが、客観的判断のために除外ルールを明確にする必要がある。

3. 「生態毒性試験毒性値算出に当たっての統計的な留意点について」
  ((独) 国立環境研究所環境リスク研究センター 小田 重人 氏)
  Q&Aによる具体的事例に関する説明がなされ、続いて揮発性物質の藻類試験について四塩化炭素のTG201試験を基に試験手順の説明がなされた。
4. GLP適合性調査の指摘事項の紹介及び質問に対する回答
  医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部 GLPエキスパート 関田 清司
  Q&Aによる具体的事例に関する説明がなされ、続いて揮発性物質の藻類試験について四塩化炭素のTG201試験を基に試験手順の説明がなされた。
5. 「生態毒性QSARモデル 「KATE」について」
  ((独) 国立環境研究所環境リスク研究センター 蓮沼 和夫 氏)
 

生態毒性予測システムKATEの概要、毒性予測方法、判定方法、特別なクラス(Neutral Organics)等についての説明があり、既存化学物質の魚類、甲殻類におけるKATEによる予測結果が報告された。今後、予測精度の更なる向上、藻類QSARの開発などが検討中の課題となっている。

(2014年2月10日(月)開催の平成25年度生態影響に関する化学物質審査規制/試験法セミナーより)


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