指摘事項と運用状況を理解して頂き、自施設運用の参考に資することを目的として、2013年07月〜2014年06月までに開催された
GLP評価委員会で確定した指摘事項の一部を紹介したもので内容としては、以下の紹介がなされた。
1)資料保管に関する指摘
<1> 適切な時期に資料保存施設に移管すべき資料が適切に保存されていなかった事例。
- 試験が終了した関係資料の資料保存施設への移管時期がSOPに規定されていた時期を超過していた。
- 職員の研修記録、経歴、職務分掌を記した書類や旧版SOP原本が運営管理者の一時保管庫に保存されていた。
- 数年以上前に廃止されたSOPや3年を超えるような主計画表、調査報告書が一時保管庫に保存されていた。
<2> 資料保存施設に保存されている試験資料の紛失、散逸、差し替え等の防止策が適切でなかった事例。
- 試験に共通する資料(機器委の点検記録等)が取り外しの簡単なバインダーに保管され、貸し出しされていた。
- 試験資料の移管時や返却時の確認方法の不備(返却者による目次ページ数と返却時におけるページ数との整合性確認)や取り外しの簡単なバインダーに保管され、貸し出しされていた
2)電子データの管理に関する指摘
サーバー上に保存されている生データが資料保存施設管理責任者の下で管理されていなかった事例。
- 集中管理システムの生データが電子媒体としてサーバー上に継続蓄積し、施設管理責任者が管理していた。
- 磁気データを生データと定義していたが、ハードディスク内に継続蓄積されるのみで移管されていなかった。
3)被験物質の情報入手に関する指摘
被験物質の物理化学的性状等に情報提供者(試験委託者)の責任が明確にされていなかった事例。
- 被験物質の特性・安定性情報に情報提供者の記名・捺印又は署名等がされていなかった。
- 被験物質の特性を記載した書類に日付、発行者の氏名、署名等がなかった。
- 被験物質の情報提供用フォーマット自体に情報提供者の記載欄がなかった。
事前質問に対する回答として説明があった。一部を記載致します。
<1> 電子版SOPの閲覧用端末機について
- 該当端末機(非GLP登録機器)からSOPを閲覧(専用)だけする場合は、編集や消去が出来ないことが確認されていれば問題ない。
<2> 終了した試験の再開について
- 一旦終了した試験について、保存されている標本を用いたさらに詳細に毒性を調べる必要が生じた場合、一旦終了した試験(最終報告書作成後)については、別の試験として行うことが望ましい。
<3> 病理湿標本の保存期間について
- 試験終了後長年を経過した病理湿標本を廃棄可能とするSOPを定める場合、薬食発第0613007号通知 記の第18号関係において試験関係資料の保存期間に関する規定や但し書を踏まえて各施設で適切な期間をSOPで定めて運用することは問題ない。
<4> 自社施設以外の資料保存施設での資料保存について
- 同一の運営管理者により運営されていないGLP適合施設へ試験関係資料を保存委託する場合は、外部契約型資料保存施設としての対応が必要。
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